火災
連続同時発生火災三件
勝山市消防本部(福井)
はじめに
勝山市は、福井県の東部に位置し、県内でも屈指の豪雪地であり、西日本最大級のスキー場「スキージャム勝山」を有している。
また、奈良時代、越前文化の中心的存在として栄えた名勝「平泉寺」や、昭和六二年に落慶した東洋一の規模を誇る「越前大仏」といった観光資源にも恵まれている。更には、昭和五七年の発掘以来、全国有数の恐竜化石の産地となったことから、本年七月二〇日より九月一七日迄の間「恐竜エキスポふくい二〇〇〇」が盛大に開催される。
勝山市消防本部は、管内面積二五三・六八km2。人口は二万九千七十八名となっており、一本部一署、職員数三七名で、三部制による勤務体制をとっている。
ここに紹介する火災事例は、春の乾燥期において、連続三件の林野火災が発生するという過去に経験したことのない火災である。
一 火災概要
(1) 第一現場
ア 出火日時
平成一一年五月二二日一一時五〇分頃
イ 出火場所
消防本部の北約八kmの勝山市野向町北野津又区、国道四一六号線沿左山腹の林野
ウ 覚知時間
五月二二日一二時九分
エ 鎮圧、鎮火時間
五月二二日一二時二四分(鎮圧)
一二時三一分(鎮火)
オ 焼損面積
山林約一五〇m2
カ 出場車両及び人員
署水槽付消防車、ポンプ車二台八名
団積載車二台七名、自衛消防隊四名の計五台一九名
(2) 第二現場
ア 出火日時
五月二二日一二時四〇分頃
イ 出火場所
消防本部の西約八kmの勝山市鹿谷町本郷一五−七、区内中央部の原野
ウ 覚知時間
五月二二日一二時五五分
エ 鎮圧、鎮火時間
五月二二日一三時三分(鎮圧)
一三時一〇分(鎮火)
オ 焼損面積
原野約一六〇m2
カ 出場車両及び人員
署水槽付消防車、ポンプ車二台八名
団積載車一台八名、自衛消防隊可搬式ポンプ三台一七名
(3) 第三現場
ア 出火日時
五月二二日一三時一五分頃
イ 出火場所
消防本部の南東約六kmの平泉寺町平泉寺、通称地獄谷山林
ウ 覚知時間
五月二二日一三時一九分
エ 鎮圧、鎮火時間
五月二二日一三時四三分(鎮圧)
一三時五〇分(鎮火)
オ 焼損面積
山林約七八〇m2
カ 出場車両及び人員
署ポンプ車、指令車三台一二名、団積載車三台一〇名
二 活動概要
連日の晴天により乾燥が続く五月二二日土曜日の昼、火災専用電話にて野向町北野津又区第一現場の山林が燃えているとの通報があり出場する。