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二つの日本一

湖西広域消防本部(滋賀)

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「ほのお」通巻三〇〇号おめでとうございます。

当消防本部は、県北西部に位置し、総面積は五一〇km2と県全体のおよそ八分の一を有しています。東部は琵琶湖、南西部は京都府、北西部は福井県に隣接し、山林原野がその多くを占めています。古来から京都や奈良の都と北国を結ぶ交通の要衝として栄えてきたもので管内五町一村で構成する当消防本部は、地理的条件を基に、一本部二署二分遣所の九二名と一方では六消防団の五四七名の団員とが地域の安全確保に努めています。

管内の地場産業は、琵琶湖同様日本一を誇る扇骨づくりが盛んで、古く江戸時代に安曇川の氾濫を防ぐために真竹を使って作られたのが始まりと言われ、その生産量は全国の九〇%を占めています。

扇骨は三四もの工程を経て完成しますが、この時期「白干し」とよばれる作業がピークを迎えています。

砂利を敷きつめた庭一面に扇骨を並べ四昼夜程干し、竹の青みを抜く伝統的な作業で、田植えを終えた水田や新緑とのコントラストが美しく地域の風物詩となっております。

間もなくクーラーがフル稼働する暑い夏がやって来ますが、時には扇子片手に「ほのお」を読まれてはいかがでしょうか。

 

ひとが主役のまち・泉大津

泉大津市消防本部(大阪)

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通巻三〇〇号おめでとうございます。

泉大津市は、大阪府の中央部から西よりで関西国際空港から北東約五kmのところにあり、特に西側は大阪湾に面して、はるか明石海峡大橋や淡路島を望むことができます。

本市は、弥生時代の代表的集落遺跡である池上・曽根遺跡や池浦遺跡に見られるように稲作を営む集落が、この地で形成され古くから開けていました。

平安中期以降、高野山や熊野参詣などの交通の要衝として発展し、天皇や国司、歌人などの往来も多く、古くから土佐日記などに代表される随筆や紀行のなかで、「小津の泊」・「大津の浦」など名勝の地として知られており、現在は「毛布のまち」として、また「港湾のまち」として発展しています。

市域面積は約一二・三km2で、全域が市街地という恵まれた地形です。

昭和二三年に消防本部が発足し現在、一本部署一出張所、消防職員九〇名、消防車両二一台で市民七六、〇〇〇人の防火防災を担っています。

また、先の阪神・淡路大震災を教訓に震災対策を行う中、消防用水の確保が急務なことから、すでに飲料水兼用耐震性貯水槽(一〇〇m3)二基を木造密集地域等に設置しています。

全国消防人の教養研究誌として、今後とも参考となる記事の提供をお願いいたします。

 

自然と科学の調和する町

佐用郡広域行政事務組合消防本部(兵庫)

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消防の教養誌として、少ないページ数ながら様々な情報が凝縮されている「ほのお」、通巻三〇〇号おめでとうございます。

基本的な構成のスタンスは変わっていないのに、全く色あせしないセンスの良さを感じます。特に、ハローファイアファイターは必ず目を通すという読者も多いのではないでしょうか。

さて、佐用郡は兵庫県の南西部に位置する山間の町。澄みきった空気は満天の星を輝かせ、晩秋から冬にかけての早朝には美しい山並みを朝霧が包み、日の出の陽光と山の稜線が織りなす風景は山水画を思わせます。

また、鮎の友釣りでその名を知られた千種川は、日本名水一〇〇選のひとつに数えられるなど、素晴らしい自然環境に加え、電子を加速し、放射光を取り出して様々な実験を行う世界最大級の大型放射光施設SPring-8(和歌山市毒入りカレー事件の砒素を検出した施設)が、組合構成町を含めた三町をまたぐ形で建設されており、現在この施設を中核とした先端技術と快適な居住環境の機能が一体となった、国際的な科学公園都市作りが進められています。

 

 

 

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