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界面活性剤系消化剤による消火能力比較実験を実施

北九州市消防局(福岡)

 

当局では、火災による直接的損害、消火水による損害、黒煙やダイオキシンなどの環境への影響などトータル的な損害の軽減を目的とし、「水による消火」と「界面活性系消火剤を併用した消火」の実火災規模での比較実験を実施した。この実験は、広さ約二五m2の耐火区画を二箇所設け、それぞれの区画に火災荷重約二五kg/m2相当分の燃焼物(木材)を設置、同条件で実火災に準じた消火活動を実施し必要なデータを収集した。

その結果、「界面活性剤系消火剤を併用した消火」の場合が「水による消火」に比べて約半分の水量で消火することが確認できた。また、実放水時間(活動時間から放水停止時間を除いた時間)を約一割短縮することができた。

今回の実験で得られた放水量削減・消火時間短縮という結果は、1]水損の軽減、2]消防隊員の疲労度の軽減(高齢化対策)、3]環境への影響の軽減につながるものであるとしている。

同市消防局では、水の持つ消火能力を最大限に生かす消火方法の検討を進め、火災によるトータル損害の軽減を図るとともに、将来的には、消防車両、活動用資器材のダウンサイジング等消防活動環境全体の在り方について検討していく予定である。

 

【実験内容】

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【消火放水グラフ】

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<英文例> あなたの消防英語

What to do in the event of an earthquake I

1] Remain Calm!

2] If you are inside a building when an earthquake hits, stay there.

3] Seek immedeate shelter...Duck, Cover, and Hold.

 

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編集後記

★今月号では、平成一一年度「消防に関する論文」の最優秀賞作品を掲載しました。この作品は、「自動火災報知設備の非火災報防止対策」として、可逆性熱変色材と光導電素子を組み合わせた「熱」と「煙」を同時に感知する複合感知メカニズムを考案したもので、その試作器の開発と検証データについてまとめられています。非火災報が消防職員、建物関係者等に及ぼす影響は、はかり知れないものがあり、今回の提言は消防業務の効率化等に大いに寄与するものと思います。これからも、消防職員として消防行政の発展につながるように、積極的かつ建設的視点で消防業務をみつめていきたいものです。

★桜の花が咲き、心地よい春風が舞う中、各消防本部では人事異動が行われたことと思います。当協会におきましても、人事異動が行われ、新たなスタートをしました。今年度も、職員一同頑張ってまいりますのでよろしくお願いいたします。(高田)

 

平成一二年三月一五日印刷

平成一二年四月二〇日発行

編集・発行所

財団法人 全国消防協会

東京都千代田区飯田橋三丁目一一番一三号

(飯田橋豊国ビル四階)

電話〇三(三二三四)一三二一(代)

FAX〇三(三二三四)一八四七

 

 

 

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