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(二) 温度の変化を視覚でとらえる方法として、可逆性熱変色材と光導電素子(以下「Cds」という。)による熱(温度)感知センサーを新たに考案することとしたものである。併せて、煙を感知するセンサーとしてCdsを使用することとしたものである。

(三) 各々のセンサー回路は独立回路とし、熱(温度)及び煙センサーが感知した電気信号を併せて火災信号として発する複合型感知器としたものである。

 

五 試作器の作動原理

(一) 熱(温度)センサーの仕組・構造

試作した熱(温度)感知センサーは図5(熱・温度センサー部構造図)に示すとおりである。

試作した熱(温度)感知センサーに使用した可逆性熱変色材は、温度の変化で分子構造が変化することで、色が変わる特性を持っている。

例えば、一〇〇℃で変化する可逆性熱変色材は、外部から一〇〇℃の熱(温度)を受熱すると色が変わり、逆に周囲の温度が下がると元の色に戻る。この時、色の変化により視覚で温度を知ることができる。また、可逆性熱変色材は次のような特性がある。

ア 温度で変化する色は、可逆性熱変色材に着色材を加えることで任意の色を選定することができ、色の変化は何回も可逆的に使用できる。(例として、有色から無色へ、赤色から黄色へ等である。)

イ 感知温度はマイナス三〇℃から二〇〇℃までの広範囲であり、任意の温度で設定できる。感知する温度の誤差は設定温度の±一℃から二℃で比較的正確である。

ウ 毒性はなく、食品容器包装試験にも合格しており、安全性は非常に高い。

エ 欠点として、耐光性にやや乏しい面がある。したがって、直射日光の下に長時間さらされることは避ける必要がある。

今回試作した熱(温度)感知センサーに使用した可逆性熱変色材は色の変化を四〇℃で黒色から無色へ変化するよう設定している。

次に、Cdsは、受光すると電気抵抗が減少し電気が流れる特性を持っている。

試作品は、以上の可逆性熱変色材とCdsを次のように組み合わせ熱(温度)感知センサーを試作したものである。

可逆性熱変色材を集熱板(ステンレス〇・三mm厚)に接着し、その部分に発光ダイオードで投光する。

火災で周囲の温度が上昇すると、可逆性熱変色材が温度の変化を感知し黒色から無色に変化する。このとき、集熱板が光を反射する。この反射光をCdsが感知し入射光に応じた電気信号を出し火災を感知するものである。(可逆性熱変色材の設定温度以下では、集熱板が光を反射しないのでCdsは作動しない。)

(二) 煙センサーの仕組・構造等

試作した煙センサーは図6(煙センサー構造図)に示すとおりである。試作した煙センサーはCdsと発光ダイオードを組み合わせたものである。

Cdsは、受光すると電気抵抗が減少し電気が流れる性質を持つが、今回は煙粒子により発光ダイオードからの入射光が減少すると、電気抵抗が増大し電気が流れなくなる性質を利用したもので、熱(温度)感知センサーのCds回路と逆の電気信号をとらえたものである。

(三) 煙・温度複合式による仕組

試作品は、図7(回路図)に示すように、煙センサーで感知した電気信号を煙センサー回路から熱(温度)センサー回路へ送る。熱(温度)センサー回路がONになり熱(温度)センサーが感知後、火災信号を出すものである。

 

 

 

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