○原因上位の「調理の煙」・「燻煙殺虫剤」は発生した煙だけをとらえた煙感知器から非火災報が発生している。また、「急激な温度上昇」は発生した熱だけをとらえた熱感知器から非火災報が発生している。
○設置時に法令基準どおりに各種感知器が設置されても、想定されない人為的原因、使用開始後の建物用途変更、自然環境等変化に対して、煙又は熱のどちらかをとらえる方式の感知器では対応できないことから非火災報を一〇〇%防ぐことはできない。
二 非火災対策防止策と複含型感知器の有効性について
表1は、平成七年度から九年度までの三か年度における非火災報発生状況を原因別と感知器種別の件数を示したものである。
・この表から、非火災報原因が判明しているもののうち、原因の一位「調理の煙」では、煙感知器のみであり、熱感知器からは発生していない。
・原因の二位である「急激な上昇」では、熱感知器のみであり、煙感知器からは発生していない。
・原因の三位である「燻煙殺虫剤」では、煙感知器のみであり、熱感知器からは発生していない。
これらのことからも、煙及び熱を同時に感知する複合感知器は非火災報対策として有効であると考えられる。
三 複合型感知器の試作にあたっての課題
(一) メーカー等から複合型感知器が開発されていない理由として、技術上の困難性及び製品化しても価格が高くなる等の課題があり、これらの点を解決することが求められる。
(二) 開発されている各種感知器には、各メーカーが多くの特許を所有しており、これらの特許を侵害しないためには新たな煙及び熱センサーの仕組及び構造を開発することが要求される。
四 試作にあたっての着想
(一) 煙は粒子であるため、視覚でとらえられる。これは、煙粒子に対し光が散乱反射などの作用をするためで、一般的に用いられている煙感知器の作動原理も煙粒子に対する光の減衰作用を利用したものが多くある。これと同様に光の減衰を利用して温度を視覚でとらえることができないかという考えに基づいたものである。