船の種類も、各観光会社の遊覧船、漁船、プッシャー、曳船、パトロール及びエスコート船、各官庁及び都道府県の消防船、海面清掃船および湖面清掃船、海洋開発会社の海中開発船、海洋調査船、その他多数の各種船舶を建造し、また一方においては輸出船の分野にも積極的に参加、高速パトロール船ならびに作業船を主体として中近東、東南アジア、アフリカ方面の各国に多数の各種船舶を輸出しております。
以上のとおりの弊社のたゆみない努力による高度の技術水準は内外共に著名なものがあり、日本鋼管株式会社系列加入後の確実な経営方針と相俟って造船企業としての信用度は高いものがあります。
更に弊社は、平成8年4月NKK(日本鋼管)鶴見事業所内に全企業を一括して移転し、従来の立地上の制約からの解放、設備の拡充、NKK保有の機械によるバックアップ等、新造船・修理船ともにより充実した技術とサービスを提供できる体制を確立いたしました。
3. 弊社の社名のいわれ
弊社の創立者である千葉四郎は、大正11年5月に鶴見川の河口に近い埋立地にあった空き工場を借り受け、横浜ヨット工作所を設立しました。
“横浜ヨット”という名前については、千葉自身次のように書いております。
「本来ならば小舟をつくる造船所をもくろんだのだから、名称としても“横浜小舟製作所”くらいが適当だったのかも知れない。だが小舟や軽舟では名前として面白味がないと、何回か書いたり消したりしてるうちに英字のウエブスターという字引で“ヨット”がスモールクラフトの総称だということを知った。そこで、その解釈で横浜ヨットは名乗りを上げることになった。」つまり彼は“小舟艇ならば何でも”という意味で名付けたといっております。
いま、ウエブスターの辞書(Websters'II, Riverside University Dictionary)のYachtの頃には“A relatively small and light sailing or mechanically propelled vessel, generally, with smart, graceful lines, used for pleasure cruise or racing”と書かれています。
Yachtは元来オランダ語のjaghtschipの縮小形jaghteからでており、jagen; to chase+schipですので、“小型の快速高級船”というイメージになります。