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しかしながら、この場合の例は、規格テキストの販売に依存している規格団体の重要な収入の道を維持するという、財政的な問題にも焦点を当てることになった。では、将来は誰が収入を得るのか?

3番目の例は、構造用機械のISO規格を規則として使用することに関する調査である。ここで、ISO規格は、産業界が効果的であり、利用可能であると判断しているが、実際に規則として多くの産業諸国の規制者により採用されているか、ということを確認することは難しいことである。このことは、ボランタリに開発された規格作成の最大努力にもかかわらず、通商障害をそのまま残していることになる。ここで、繰り返していうが、規制する側は、規格が自分達の必要性に合致していることを確認するプロセスに、より密接に参画しなければならないという教訓を示している。

最後の例では、ISOとCEN(欧州規格化委員会)との間に交わされた、地域団体と世界的規格団体との間の協力体制のモデルとして、幅広い適用が提案されているウィーン合意の運用に関する調査例である。多くの規格団体自身同士の透明さと調整を改善する点では、この合意は有効であるが、それぞれのメンバーによる規制の適用に必要な、規格そのものの量についてのCENとISOとの間での合意を導くものではない。CENプログラムは、ISO規格よりはるかに多くのものを含んでいる。

 

どのようなフォローアップが可能であろうか?

規格と規制との間の関係には、改良が必要であるという意見の一致は見られるが、どのように、誰により、その関係を作り上げるのがよいのか、また、その作業は、複数分野を纏めて行うのか、個々の分野で行うのが良いのかと言った意見の一致は、未だ得られていない。

産業主体の規格団体の成果である規格に対する、規制する側の、それを適用する際の自信を如何に改良するかということは、大きな注目を引くことのように思われる。

国際規格団体は、規則設定の要求に対する機能を、機能的に内蔵してはいない。勿論、彼らも今や、規制する側に、より受け容れられ易い傘機能の規格を定義しようと考え始めている。しかしながら、国際規格団体が、規制化作業手順に効果的であろうと思われる正式な役割を、規制する側に与えるために、自分達の手順を改良すべきか、否かに付いては、未だ、不明確である。

これとは別な採用可能な考え方は、国際規格を使用することで潜在的な規制の衝撃力が明確とされたか、という点を調査することを規制する側に要求することである。この手順は、今や規則衝撃解析(RIA)と言う名前で広く知られている。この作業のため、国際規格団体は、規制を管轄する官庁の役割に代わって、市場の要求に適した国際規格の作成のため、当初の達成ゴールに到達するように、十分柔軟な姿勢を持ち続けなければならない。

 

著者について

Keiya Iida OECDの国際規格化と規格改正に従事。前職は、日本の通商産業省で、規格方針と規則の原稿作成を含めた仕事に従事。

Raymond Schonfeld OECDで今回のこの課題の特別研究を取扱う。ブラッセルを本拠とし、世界的、および地域的なTBTプログラムの方針決定と、そのビジネス成長への衝撃力についての、商業的、かつ政治的組織に対しアドバイスする。

今回のこの記述は、二人の著者の個人的な見解である。彼らの意見は、OECDや、他のメンバー国の見解を、必要に迫られて代表するものではない。

この文章の研究結果全体は、「規則改正と国際規格」、および「規格化と規則改正」のどちらかを選んで、www.oecd.org/echにより利用することが出来る。

 

 

 

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