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2.1.2 (ボルト締め付けトルク+圧力作用)時次に、ボルト締め付けトルクを98.1N・m(10kgf・m)に作用させた状態で圧力を付加させて実験を行った。圧力は、予備のこし器も含めてこし器全体に作用させた。圧力は、0.5MPaごとに階段状に上げ、漏れが発生するまで増加させた。この実験では、6MPaにおいても漏れが発生しなかった。本こし器は、使用圧力が0.4MPaのものであり、試験圧力は0.6MPaである。そこで、ボルト締め付けトルクを98.1N・m(10kgf・m)の状態で2MPa(使用圧力の5倍)の圧力を作用させて実験を行った。その結果を図-4に示す。大きな主応力が発生している場所は、ふた押さえとふたの部分である。ふた押さえでは、290MPa前後の値であった。この部分での安全率は1.55(S=450/290=1.55)になる。

一方、ふたの部分では、170MPa前後の圧縮応力の発生が認められた。本体部分では、ふた押さえのつめが本体と接触する少し下の部分のゲージNo.8で最大引っ張り主応力90.2MPaが発生した。このときの安全率は、2.22(S=200/90.2=2.22)程度の値となる。ゲージNo.18付近では内圧が作用しているいもかかわらず、13MPaの圧縮応力が計測されている。

 

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図−4 (ボルトトルク+圧力作用)時実験結果

 

2.2 破壊実験

油こしは、構造がふた押さえを有する特殊な形状をしている。このため、フランジ形状に比較して局所的に力が作用すると考えられる。そこで、本体の安全限界を調べるために破壊実験を行った。ふた押さえは強度の高いSS 400材を使用した。本体とふたの間にOリングを使用しているため、加圧過程で漏れの発生が考えられる。このため、ボルトによる締め付け力は196.1N・m(20kgf・m)と高くした。この状態で圧力を0.5MPaごとに上げて行く破壊実験を2回行った。2回の実験とも、加圧過程では途中でOリングからは漏れが発生せず、9.3MPa前後で本体が破壊した。写真-1に破壊実験の様子を示す。破壊は左側のこし器で発生している。写真−2は、その破断面を示す。本体の材質がFC 200であり、脆性破壊により破壊が発生したと考えられる。

 

 

 

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