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ISO/TC8

(船舶及び海洋技術)

NEWSLETTER

 

JMSA NO.3

(ISO/TC8 NO.6)

2001年1月

 

幹事国だより

 

財団法人 日本船舶標準協会

ISO/TC8 Secretary

国際部長 小郷一郎

 

今回のNews Letterは、2000年10月24〜25日、ポーランドの港湾都市Gdanskで開催されました第19回TC8本会議(Plenary meeting)の概要報告を中心に、ISO/TC8の現状についてご紹介いたしたいと思います。

 

● 第19回ISO/TC8本会議(Plenary meeting)

 

今回の本会議は、ポーランドの港湾都市Gdanskの中心部に位置するCTO(船舶設計・研究センター)の会議室で行われ、12カ国からの代表を含め合計39名が参加し、2日間にわたり熱心な討議が行われました。本会からは有川専務理事がSC9議長を兼ねて出席いたしました。前号で記載いたしましたとおり、TC8の活動ポリシーは、船舶の安全、環境保護などに関する要件(Requirement)及び規則(Regulation)を設定するIMO(国際海事機構)と、船舶関連工業界(国際海運及び造船産業など)との間の『リンク機構』として機能する、世界的な規格作成を行う団体である旨その戦略ビジョンで規定しております。

今回の一連の国際会議でも、このポリシーに沿って活発な討議が行われました。

次に、TC8幹事の目から見た主な内容をご紹介いたします。

1. TC8の有力な連係(Liaison)相手として、我が国にも'SNAME Code'としてなじみの深い、'アメリカ造船造機学会'が正式に、TC8との国際規格開発に全面的に協力する意志を表明しました。現SNAME会長のJose Femenia教授は、今後SNAMEメンバーの技術専門家多数がISO/TC8の活動へ参加する旨表明しました。

2. IMOに対して、TC8は船舶及び海洋技術に関する国際標準化活動の中心的な立場となり、他のISO専門委員会と協力して対応することとなりました。例えば、ISO/TC67(石油及び天然ガス工業用材料及び装置)とは今後の協力についてMoU(覚え書)を締結し、互いに情報交換を含めて具体的な協力関係を構築しました。

3. TC8幹事国及びSC6(航海)並びにSC9(一般)幹事国を引き受けている日本に対して、かなり期待を寄せてきております。例えば、幹事国業務の一環としての8N1000(現状報告書―TC8のデータベース)の維持や今回要請されたSC9での'現行海事規格の見直し'及び'ISO/TC8造船規格の概要本'の見直しなどがあげられます。

これらは主として本会が今後国際協力の立場から関わっていかざるを得ないテーマと思われます。一方で、「消防員装具」の国際規格作成の可能性(日本のHK提案)などについて、有川専務理事から関係分科会幹事に非公式に行った提案に対して、非常に好意的に対応していただいたという事実もありました。(その後新規標準化項目として各国投票に回章中)

4. 現在(今後も含めて)TC8で脚光を浴びている国際標準化項目としてはIMO対応(救命・防火関係、設計・設備関係、環境・公害防止関係など)規格類、フリートマネジメントシステムネットワーク及びその関連規格等海運業の合理化に関わる規格類(PSCとの関連でUSCG等も大変期待している)、海運・港湾のインターフェース・短距離海上輸送に関する標準化(国連ヨーロッパ経済委員会/内陸輸送委員会関連)等があげられます。

5. 韓国は、ドイツに代ってTC8/SC8(構造)の議長及び幹事国を引受けることを決定しました。(後刻、決定)

6. 本会議の1日前に開催されたSC9/WG4(シートライヤル作業委員会)では、ポルトガルのコンベナーMr. Camposの下で審議が進み、我が国からの意見もかなり採用され、次のステップであるCD(committee draft)となりました。(我が国からの出席者:佐々木紀幸氏及び有川SC9議長)

7. 今後のTC8本会議開催予定としては、2002年に韓国での開催が期待されています。(関係者で検討中)

以上

 

 

 

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