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以下の評価においてはこの作業分析の結果を示しながらその時々の作業内容を想定してニーズや提供機能検討を進め、必要に応じて加筆変更を加えながら評価結果シートとして作成する。

 

3) ユーザーニーズと提供機能のすり合わせ

ユーザーニーズの聴取は、実際には使用者である操船経験者から上記の作業分析を基に各要素作業についてニーズ及び想定される使用環境条件を聞き出す。この際、ニーズについては、実際の使用時に絶対必要な機能、あった方が良い機能の2段階程度にグレード分けして要望を聞く。また、想定される使用条件については、風等の外乱が作用した場合での動作条件、使用時の船橋当直者数等が挙げられる。さらに、安全確認においては、通常時の評価の他、当直者を含めたシステムの異常を考慮に入れた評価が必要で、対象作業の所要時間等を考慮に入れ、どの程度の異常状況まで想定し、その対策としてどういう安全対策を講じるかもユーザとシステム提供者が決めなければならない重要な決定事項である。今回の検討では、例としていくつかの要素作業について例を示す。

次にこうしたニーズや使用環境に対応して提供できる技術を示すと共に、提供技術との相違点及びシステム使用上の注意点を書き下す。この作業はユーザと設計者が納得行くまで意見交換を続けシステムの仕様を固める。但し、ユーザの希望には個人差が多く仕様としてまとまらない可能性があるが、要望に漏れがないようにするため提案された要望は全て書き出し必要に応じて整理すると共に、対応できない場合はその旨を明記する。提供可能な機能がどの程度有効かをユーザに説明する際、特にユーザ側に使用経験がない場合、言葉やデータだけでは従来の作業との違いや機能の有効性を把握し難いので、シミュレーション等で実際の作業を再現することが望ましい。

 

表2 システムヘの要望と提供可能な技術の対応(例)

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