3a-4 FMEA (Failure Modes and Effect Analysis)
(a) FMEAの特徴
FMEAは、その名が示す通りシステムを構成するコンポーネントあるいはサブシステムの故障モードが、システムの故障、機能障害、操作上の障害などに及ぼす影響を定性的に解析し明らかにする手法であり、従来、信頼性解析の分野で活用されてきたものである。しかし、現在ではヒューマン・エラーのシステムに及ぼす影響、あるいはソフトウェアのエラーがシステムにもたらす影響に対しても利用される。
(b) FMECA
さらに上述した分析に加えて、故障モードのシステムへの影響を故障等級として定量的に評価するCA(Criticality Analysis)を加味した分析手法をFMECA(Failure Mode, Effects, and Criticality Analysis)と称する。すなわち、システム、サブシステムおよび人命の安全を脅かすリスクを低減し抑制するために、システムを構成するコンポーネントの潜在的な故障モードから、サブシステム、システムおよび人の安全に及ぼす影響を評価してコンポーネントの故障の危険度を定量的に格付けする解析手法がFMECAである。
故障の及ぼす危険度(Criticality)は、故障の影響度、故障の発生頻度などの関数で与えられる。したがって、6.2で詳述するように、これらの関数から定量的にコンポーネントの故障の危険度を求めリスクを推定評価することができる。
(c) FMECAの作業手順
FMECAの作業手順と作業用ワークシートの例を示す。