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3a-3 HAZOP (Hazard And Operability Study)

 

(a) HAZOPとは

化学プラントのようなプロセスプラントに潜在的に存在する危険とプラントの操作性、特に設計仕様を逸脱した運転を行なった場合の問題を確認するのに用いられるのがHAZOPである。米国の連邦法であるOSHA(Occupational Safety and Health Act)では、プロセスの危険分析に用いるべき手法の一つとしてHAZOPを採用することを規定している。また、カリフォルニア州、デラウェア州、ニュージャージー州などでは、化学プロセスのリスク管理プログラム(Risk Management and Prevention Program)の策定に際して、その基本をなすものとしてHAZOPを採用している。

HAZOPは、化学プロセスにおける複数の独立した事象が複雑に絡む故障を扱う目的で開発されたものである。HAZOPの分析は、ガイドワード(Guide Words)と称される一連の質問を用いるところにその特徴がある。

 

(b) HAZOPに必要な基礎資料

HAZOPを実施する上で、プラントの構成要素である機器、装置類、配管および計装が示されているプロセス系統図であるエンジニアリング・フローシート(PIダイアグラム)が、分析作業の基本資料となる。この他に必要な主な資料を挙げると、次のようになる。

○ PIダイアグラム

○ プロセス・フロー・ダイヤグラム(PFダイヤグラム)

○ プロットプラン(機器配置図)

○ 運転保守マニュアル

○ 温度、圧力、流体のレベルなどの設定値に関するデータ

○ 塔槽類の容量、設計圧力、安全弁の設定値などのデータ

○ 過去の事故、トラブル情報

 

(c) HAZOPの実施に必要な準備作業

HAZOPによる分析を実施するに先立って次の事項を行なう。

○ HAZOPの分析の対象プロセスの範囲と分析の目的を策定する。

 

 

 

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