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まえがき

 

近年、安全評価に関しては、ISO/IEC Guide 51を契機として、機械関係でのISO 12100 (JIS B 0008/9)、電気関係におけるIEC 61508(JIS C 0508)など各種工業製品を対象にした「安全」の原則を、標準化する動きが活発になってきている。

一方、IMO(国際海事機関)でも、過去の特定の事故などにより、制定・改訂されてきた帰納法中心による規則類に、より合理的根拠を与えるため、関係するSOLASやMARPOLなどの国際条約を主とした対象とし、その規則制定に特化したFSA(Formal Safety Assessment)を正式なガイドラインとする作業を進めている。

また、近年のいくつかの船舶事故の例では、情報化や製造物責任法(Product Liability)及びDependability、Accountabilityが議論される状況のもとで、従来に比べ製造業者や運航者の責任が問われるようになり、世界的に船舶安全に関して、より合理的な安全規格を制定する要望が高まってきている。

このような背景のもと、安全に対し十分合理的な評価を行うこと及びその指針となる手法と評価基準を確立する必要性から、今回「船舶の安全システムの評価」に関する基礎調査を実施することになり、今年度は、運航支援システム専門分科会(専門分科会長:大和裕幸氏)内にワーキンググループ(主査:沼野正義氏)を設け、国内外の文献などの調査と平成10年度に基礎調査を実施した「離着桟操船援助システム(付録では「離着桟操船援助装置」と記載)」(平成12年度にJIS草案作成作業を終了)を対象とした試解析を行った。以下、本文中に示すとおりの結論となり、次年度以降の標準化作業への大きな足がかりができたと考えている。

 

 

 

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