SCMは通常使用される構造概念、または構成管理や管理概念のために使われるユーティリティの集合と同様に、一つ以上のAPが必要とするドメイン(独立、かつ再帰的に使用できる)製品構造モデルの集合であり、モデリングのフレームワークを提供する。SCMの目的は、異なる船舶APのアプリケーションリファレンスモデル(ARM)の統合と全般的な整合性に貢献することである。
SCMは、AP Development Guidelines for Shipbuilding (AP Guide Ship)で文書化される。ガイドラインで記述していることは以下のとおり。
- Building Block approach
- Modelling guidelines
- Ship Common Model
---補足---
この文書の概要は、(財)日本船舶標準協会平成9年度STEP/船用AP専門分科会活動報告書の第5章で紹介されている。
8.3 Modelling guidelines
モデリングガイドラインは、STEP Part 11で定義されているEXPRESS言語の拡張とみなすことができる。造船分野のデータモデリングのために、EXPRESSをどのように使うかについて、詳述している。モデリングガイドラインは、Ship Common Model (SCM)でも使われる。
すべての船舶アプリケーションプロトコル(AP)のモデリング作業は、ビルディングブロック(BB)の形式で行われる。BBは、APの機能単位(UoF)の定義に使われるEXPRESS言語による仕様である。UoFは、1つ、あるいはいくつかのBBを含むかもしれない。BBは、以下の3つのスキーマで構成される。
- インポートスキーマ
このBBのモデルスキーマによって使われる他のBB要素のために、インタフェースを提供しているスキーマ。
- エクスポートスキーマ
他のBBが使うためのモデルスキーマ要素を利用可能にするスキーマ。
- モデルスキーマ
このBBのための全ての新しい要素を定義しているスキーマ。
スキーマに加えて、各BBは、BB電子メールサーバーで自動処理を許すための若干の管理情報と共に、BBヘッダを持つ。モデリングガイドラインは、BBの概念と関連がある。現在のガイドライン(AP Guide Ship)は、以下のエリアをカバーする。
- Building Block name (BBの名前)
- Size of Building Block (BBのサイズ)
- Existing Building Blocks (既存のBB)
- Commenting Building Blocks (BBのコメント)
- Restrictions on usage of EXPRESS (EXPRESS使用に対する制約)
- Reference STEP resources (STEPリソースの参照)
- Cardinality constraints across Building Blocks (BB間の基本的な制約)
- Reference functions (functionの参照)