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サモア

 

新ミレニアムにおける海事産業の課題

 

序論

1. 新ミレニアムにおける造船業と支援諸産業の地位

サモアには造船業は存在しない。しかし資源の入手、市場開発の可能性如何では、国内に造船業を発足させる機会を探りたいという関心はきわめて強い。造船業創設の可能性を計るためには、フィージビリティ・スタディーが必要とされる。

2. 造船業の技術的意義

造船業創設の可能性を探るに当って、サモアでは業界において最新かつ最も費用効果の高い技術に依存したいと考えているが、それがサモアの環境にどのような影響を及ぼすかも計りたい。

3. 造船業に対する政府の政策とインセンティブ

政府が採用する政策とインセンティブは、造船業の成立可能性に関するフィージビリティ・スタディーの結果に掛かっている。しかし従来の経験に照らしてみれば、サモア政府は海外からの投資受入れに熱心で、特に民間部門との提携というアプローチによる造船業の開発は奨励されることになろう。

4. 中規模造船業の開発

これは将来においてサモアが開発努力を集中する可能性のある領域である。例えばサモアの漁業は急速に成長しつつあり、国の主要輸出産業となっている。沿岸用漁船(Aliaと呼ばれる)は、20海里水域内での操業のために国内で生産されている。太平洋地域に好適な、中小型漁船の開発、建造のニーズは今なお増加を続けている。さらに政府は最近、国内の漁船向けにマリーナの開発を承認した。

Samoa Shipping Corporationでは、米領サモアのSouth West Marine造船所と合弁で、ヨット用のマリーナの建設を検討中である。

サモアには造船業が存在しないため、この報告ではSamoa Shipping Corporation Ltd.とサモアの海運業について述べる。

 

1. サモア

サモアは日付変更線の東、西経171度と172度の中間、赤道の南、南緯13度と14度の中間に位置している。サモアは比較的大きな二つの島、ウポルとサバイイ(合わせて国土面積の約96%を占める)、と七つの小島から成る。サモアは独自のポリネシア文化を受け継いだ伝統社会である。1889年のベルリン条約以降、ドイツの支配下に置かれ、その後1914年から1962年1月の独立達成までは、ニュージーランドがサモアを統治した。

 

 

 

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