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安全性文化を醸成し、船舶の安全性を向上させるためには、高速フェリーの安全性に責任を負うあらゆる関係者に事故報告を伝えなければならない。これら関係者には、運航者、海事当局、船級協会、造船所、設計者などが含まれる。公式安全性評価法を、あらゆる新規規則の起草におけると同様、時代遅れになった不適切な規則の撤廃の基礎としても、もっと徹底的に活用しなければならない。公式安全性評価法が、実際に発生する公算がきわめて低い、あるいは発生しても大きな被害をもたらさないようなリスクではなく、最も発生の公算が高い、かつ発生すれば甚大な被害をもたらすようなリスクに対処する基礎とされなければならない。現実のリスクのレベルが受け入れられている基準より低いことが立証されたら、新たな規則を一切導入してはならない。安全性レベルについていえば、業界の目標となり得る、受容し得る安全性レベルについて合意が成立しなければならない。達成不可能な絶対的安全性を追求するのは無益であり、きわめて高価につくことを認識しなければならない。

 

 

 

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