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(8)式のcは、これらの条件により異なる定数で、主なはりのcの値の例を第2.19図に示してある。

船体の構造部材は、弾性があるので、完全な固定端にはならないが、丈夫な大型のブラケットを使えば、固定端に近い状態が得られ、またビームのスパンが実質的に短くなる。また、荷重は、船の場合は、分布荷重が大部分であるが、集中荷重と考えて計算してもよい場合もある。

 

2.2 船体に加わる力

船体は縦横の部材が有機的に結合して複雑な一体の構造物となっており、また船に加わる力にはいろいろな種類があり、その性質も複雑であって、自然の猛威の中を安全に航海するためには、各部の強さをどのように決めたらよいかということになると、きわめて困難な問題である。

この問題を解決するために、船に加わる力をつぎのように分類して、それぞれに対する強さを求めてから、それを総合する方法をとっている。

船体を上下にそらせようとする力

…縦方向の力

船体を横に押しつぶそうとする力

…横方向の力

船体の一部だけに働く力

…局部の力

この中でも、船の縦方向の力に対抗する強さは縦強度といって最も重要で、船全体の強度の目安となるものである。

このほか、横方向の力に対抗する強さを横強度、局部の力に対抗する強さを局部強度という。また、ねじりに対抗する強さをねじれ強度といい、上にあげた三つとともに別に取り扱うこともある。

船体を陸上構築物と比較してみると、船体の方は局面をなしていて内部構造もさらに複雑である。

 

 

 

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