イ. 波長に対する波高の割合は、波長50mで1/15、波長150mで1/20、波長300mで1/25位である。
ロ. 暴風が北太平洋や北大西洋で長続きすると18m程度の波高の波が観測されており、1933年2月に北太平洋の中央部で約34mの高さの波が観測(推定)された。
ハ. 方向の異なる波の干渉によって平均よりも著しく高い三角波が発生する。
ニ. 我国貿易量の35%の貨物が通過する経済活動上重要な海域(千葉県野島崎沖から東南に約830km)では1969年1月の鉄鉱石運搬船「ぼりばあ丸」など15年間に1万トン級以上の24隻が海難事故に遭い「魔の海域」と恐れられている。
1980年末尾道丸が沈没した海難現場に近い海域に波浪観測用大型ブイ(ブイ・ロボット)を定置、気象衛星「ひまわり」を通じ送信されてきたデータによると、ひと冬に最高13.7m、10m以上の波高が12回あり、低気圧が本州南岸から発達しつつ東又は東北東に進んで、この海域に達した時発生し、低気圧に伴う寒冷前線通過後に多くの海難が起きている。
更に鋭角の異常波浪によって起きるSLAMMINGによる船底への衝撃が予想以上であることが突き止められた。
ホ. 強風域の中でその強風によって起こされた波を風浪(風波)と称し、頂きの長さ(尾根)は波長の2〜3倍で方向は不規則。風浪が発生域の外に伝播して行って“うねり”に変化する。うねりの頂きの長さは波長の6〜7倍でかなり規則的である。