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(2) ケルビン波

1887年にLORD KELVINは、水面上を一定速度で直進する撹乱点によって、その後方水面に生ずる波形を初めて数学的に解き、それが船の波と酷似していることを示した。

ケルビン波群は、三角形の各辺が内側に曲ったような波系より成り、全波系群は船首を先端として八字形に拡がっていく八字波(DIVERGING WAVES)と進行方向に横に並ぶ横波(TRANSVERSE WAVES)とから成り立っている。

(3) 船に生ずる波と造波抵抗

航走時の波系のうち最も顕著なものは船首部より山で始まる船首波系(BOW WAVES)、船尾部より山で始まる船尾波系(STERN WAVES)及び肥満型で船体平行部を有する船では平行部前後端の肩部より、共に谷で始まる前後肩波系(SHOULDER WAVES)である。

各種波形の山と谷とが合致すると互に打消し合って造波抵抗を少くし、山と山とが合致すると互に相加わって抵抗を大にする。

このため、造波抵抗は船速に対して一般に波状に変化し、造波抵抗曲線は谷(HOLLOW)及び山(HUMP)ができる。従って航海速力において抵抗曲線の谷にあることが望ましい。

 

 

 

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