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(2) 船体振動

(a) 振動の種類

(イ) 上下撓み振動

2節振動は固有振動数が最も低く、主機回転数と近接しているために最も多く、顕著に現われる。更に高振動数の3節、4節等の振動も、細長い固有振動数の低い船に現われる。

(ロ) 水平撓み振動

殆んど2節振動として現われる。一般に水平振動の固有振動数は上下振動の1.2〜1.5倍位で、幅広く深さの浅い船では2倍位になる。

(ハ) 捩り振動

船体中央を境として前後部が互に反対方向に捩れる1節捩り振動が現われる。その固有振動数は上下振動数の約3〜5倍位である。

(ニ) 局部振動

船尾部、梁柱、構造物のパネル、檣等の船体各部分がそれぞれ個々の弾性体として振動するもの。

(ホ) 艤装品等の共鳴振動

船体の他に窓、扉、戸棚、額、食器類等の艤装品、備品類のうち、船体の振動数に等しい固有振動数をもつものが共鳴振動をして騒音を発する。

(b) 振動の発生原因

船体に周期的の力又は偶力が作用すると持続的振動を発生する。特に振動源の振動数が船体の固有振動数と一致する場合には共振を生じ、特に激しい振動を生ずる。振動源としては下記のものが挙げられる。

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(ロ) プロペラの工作不良(ピッチ・直径など寸法上の不均一が各翼の間にあったり、プロペラの中心が軸中心と一致していないようなときは、スラストの不均一が起こる。)とプロペラの釣合不良。(プロペラが静的または動的に不釣合いであれば、回転による遠心力のために、プロペラ軸はミソスリ運動を起こす。)…〔振動数はプロペラ回転数に等しい。〕

(ハ) プロペラによって生ずる起振力は二通り存在する。第一はプロペラ位置における伴流分布が不均一なために、プロペラ翼1枚の出すスラストは、1回転中でも周期的に変化し、そのために不平衡力及び捩りモーメントを生じ、プロペラ軸を通して船体に現われるもの、第二はプロペラの回転によって生ずる流体の圧力変動が附近の船体の表面に衝撃的水圧力として伝わることによって現われるもの。

 

 

 

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