次にテープから各縦截線と横截面輪郭線の交点の基線上の高さを対応する縦座標上にPLOTしておく。(8)項でテープにMARKした各甲板舷側線は計算値を一応チェックするために用いる。
3.1.6 フェアリング(FAIRING)
(1) フェアリングとは
FAIR(フェア)を英和辞典で引くと、美しい(BEAUTIFUL)、正しい(JUST)、文字がはっきりして読みよい、とある。
線図のFAIRINGは順整(さからわずにととのえる)と邦訳されている。その真意は「さからわず極く自然な美しい」又は「すなおで無理のない美しい」LINES(ラィンズ)にすることとでも考えて頂くとよい。
船体の形状はその大部分がFAIR な曲面で構成されている故に、互いに直交する横截面、縦截面及び水線面の断面形状も当然FAIRな曲線となる。断面形状とその位置を示す主な線は、ORDINATES、WATER LINES、BOW AND BUTTOCK LINESの3種で、これらの交点の位置を正面、側面、半幅(平面)の3種類の図面上で正確に対応させ、各断面形状をFAIRな曲線とし、かつ船主要求を満足させると共に実績や理論上、優れた船型とするように修正することをFAIRINGと称する。
(2) FAIRINGの要領
(i) FAIRINGは本書に掲げる概略正面線図の作図(過程II)と線図及び船体寸法表の作図(過程II)で行う。前者の場合には正面図は全く後者と同じ縮尺、側面図と半幅図の船の深さと半幅は後者と同一、船の長さのみ縮尺を後者の1/2程度とし、縦座標間隔をcm単位にすると方眼紙の目盛を有効に使える。
船の長さを1/2程度の縮尺とするとWATER LINESやBOW AND BUTTOCK LINESの曲率が大きくなるが、FAIRINGは容易になり、かつ図面の長さが短くなるので作図が楽になる。
(ii) 概略正面線図の作図(過程II)の段階でBODY PLAN、WATER LINES、BOW AND BUTTOCK LINESを全部一度に描かずに、第3-23図及び第3-24図に太線で示すように間隔1本置き程度にFAIRINGを行い、順次に間隔を狭めていくのも上手な手法である。
(iii) サイドスラスター、主機関、軸系などの据付け又は揚錨等の関係で特定個所のフレームライン形状を確保する必要がある場合には、その部分の計画満載喫水線(d)とd/2の水線半幅をタイプシップの資料から求めて記入して置き、FAIRlNGする時の拠り所とする。
(iv) BODY PLANの船体中心線と基線の交点より、基線と45度の角をなす斜線を左右に引き、第3-25図に示すように45度の斜線に平行な接線を横截面に対して引き、接点より上部は半幅、下部は基線上の高さを基準にしてFAIRINGを行うとよい。