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2.6.10 曳船

海上保安庁告示第29号(昭和51年2月6日)により、進路警戒船に対しては被警戒船より3ノット以上速い速力で航行できること。消防設備船及び側方警戒船に対しては被警戒船以上の速力で航行できることが性能基準として定められた。

東京湾内航行船舶には12ノットの速力制限があるため、進路警戒船は必然的に15ノット以上の速力が必要となり、進路警戒船を兼ねている曳船け、殆んどが速力の点で進路警戒船として使用不可能となる。

従って、今後建造される曳船は警戒、水先案内、消防、流出油処理等を兼ね、しかも15ノット以上の速力を有する多用途なものとなると考えられる。

そこで、ノズル・プロペラ付き在来船の速力試験結果から満載状態、4/4出力にて15ノットは到底望み薄で、更に推進性能を向上させるためには、プロペラと船型の検討に的がしぼられる。

プロペラは直径一定でピッチと展開面積比を変化させても船速に極端な相違はないと思われる。となると残るのは船型で、考えられることは、

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曳船は、排水量一船長比が大きい割合に、速長比の値も大きい。従ってテーラーや山県博士の図表をそのまま用いることは適当でない。そこで1954年SNAMEに発表されたC.D.ROACHの系統的な模型船に対する水槽試験に関する論文中の図表を用い剰余抵抗係数が最小になるCPの値を求めると。

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第2-24図より

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