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2.2 電気艤装図の手順

2.2.1 基本計画

(1) 電力需要

(1.1) 電力消費機器の情報収集

電源設備の容量、台数等は船の基本計画時に決定されるが、計画時に推定した消費電力が船の就航後の実消費電力と大きな差異がないようにしなければならない。すなわち、基本計画時に各機器の運転条件を十分に把握することが必要である。そのためには、航海時、出入港時、荷役時等それぞれの状態において、各装置あるいは各装置群がどのような運転状態・使用状態にあるかを検討しなければならない。最近の船舶の省エネルギー化あるいは自動化の進展によって、機器も多種多様となってきており、一層正確な把握が必要となってきている。

机上の計算、検討のみによることなく、同種の船の海上運転のデーターを検討し、就航船の状況等を調査して、さらに精度を上げた計算書とする必要がある。

(1.2) 主発電機の定格容量、台数の決め方

発電機の容量、台数については、船の適用船級協会規則に規定されている条件を満足しなければならない。すなわち、発電機2台以上装備し、そのうちいずれの1台が故障しても残りの1台(又は複数)で船の航行及び安全に必要な電力をまかなうことができる容量としなければならない。

また、発電機の台数や原動機の種類等は色々考えられるが、船の種類と負荷の使用条件、燃料経費、設備費等を考え、事前に船主と十分な打合わせをしておく必要がある。

主発電機は、1.2各主要装置(1)電源動力装置の中でも述べているように、一般にディゼル機関駆動発電機(通称ディゼル発電機)を装備することが多いが、主軸により駆動される発電機等を装備することもある。

装備発電機の組合わせには、次のものが考えられる。

(a) 発電機を2台装備し、航海時は1台で、出入港、荷役時は2台でまかなう。航海時は1台予備となる。

(b) 発電機を2台装備し、航海、出入港、荷役時とも1台でまかなう。常時1台予備となる。

(c) 発電機を3台装備し、航海時は1台で、出入港、荷役時は2台でまかなう。航海時は2台、出入港、荷役時は1台予備となる。

発電機の容量、台数は、あらかじめ計算した船のすべての状態における所要電力(この計算書を電力調査表という)をベースとして、発電機の組合わせ、発電機の特性、イニシャルコスト(主に設備費をいう)、ランニングコスト(主に燃料費、保守費をいう)等を考え合わせて決定する。

 

 

 

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