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また、経費節減のため1台を主機よりクラッチ減速機又はベルト駆動とし主機のエネルギーを利用するケースもある。しかしこの方式は主機の回転変動により電圧、周波数に変動があるので、各負荷への影響を与えないための装置を設け保護を行う必要がある。また、交流発電機には自励式と他励式とがあるが、一般に使用されるものはほとんど自励式である。自励式が使用される理由は、他励式に比べて突入電流に対して電圧降下が小さく、回復が早く、他負荷への変動が少なく、保守、点検が簡単である等利点が多いからである。

電圧及び周波数については、AC450V、3相60HZが採用され、回路電圧は動力回路が440V、照明装置、通信装置、航海装置等の回路は100V、110V、115V又は220Vの低圧が用いられる。440Vから照明装置等で使用する低圧に降圧するためには一般に乾式変圧器が用いられる。又主電源喪失時、船内が暗夜になるのを防ぐため非常及び電話装置、警報装置のバックアップ用電源として蓄電池が用いられる。一般給電圧はDC24Vで、数百アンペアの容量を持つ鉛蓄電池又はアルカリ電池が用いられる。

また、最近船級や船の種類によっては、主電源喪失時でも非常操舵ができるよう要求されており、このため電源として非常用発電機を装備した船が多くなってきている。

発電機から負荷への給電はすべて配電盤を通して行う。配電盤は常用発電機用の主配電盤と、非常用発電機用の非常配電盤があり、蓄電池には電池の充電、放電とともに非常照明、通信、航海装置への給電を行う充放電盤などと、呼ばれている盤が設けられている。主配電盤及び非常用配電盤の構成は、発電機盤、同期盤、440V給電盤、低圧給電盤などから成り、発電機盤には発電機回路の保護のための気中遮断器が設けられていて、過電流、短路、低電圧、逆電力などに対して保護されているほか、電圧計、電流計、電力計、周波数計、接地検定灯等各種計器及び並行運転に必要なスイッチ、同期検定灯、検定器等が設けられている。

また、440V給電盤及び低圧給電盤には、給電回路用として過電流、短絡保護のための遮断器が設けられていて、これには一般に配電用遮断器が使用されている。

動力装置の主なものは各種補機類ポンプ、圧縮機、通風機、舵取機、係船機、荷役機械等の駆動する電動機及び始動器と電熱装置、厨房機器等があり、その他低圧の小形動力機器も含まれる。

給電方式は、主配電盤又は非常用配電盤から負荷の種類や大きさに応じて直接負荷に給電する場合と、区電箱又は分電箱を介して各負荷へ給電する場合とがあり、これら区電箱等も動力装置に含めている。

 

 

 

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