(2) 陸上運転
陸上運転では性能試験、連続(続行)試験及び始動試験などの特殊試験が行われるが、一般的には船級協会検査員が立会うことはほとんどない。また陸上運転後は、主要な部品のみ陸上開放検査を行い、各部に異状がないことを確認する。
(3) 船内単独運転
補機は普通、船内での据付検査は省略されることが多いが、主空気圧縮機などはまれに立会検査をすることもある。従って船内単独試験で異状がないことにより据付状態にも不具合がないと判断されることになる。
船内単独運転には、性能試験のほか一時間程度の連続試験が行われることが多い。
2.3 海上運転及び開放検査
2.3.1 一般
ディーゼル主機を装備する商船の係留運転、海上予行及び公試運転、運転後の開放検査について簡単に説明する。
2.3.2 係留運伝
主機の摺り合わせ、各部の性能確認及び調整、関連補機器の状態確認及び軸系や遠隔操縦装置の状態確認のために行われる。
運転要領は、岸壁の状態、水深、係留索の取り方、スラストなどにより一定していない。
運転中には主機の各部の状態、主機の排気系統や給気系統の状態、軸系各部の状態、主機関連補機や系統の状態、操縦装置の状態などを確認するが、初めて軸を回転させることになるため、実施前には軸系各部の点検を十分に行うことと、水中のプロペラまわりに浮遊物や沈着物のないことを潜水調査などにより確認しておく必要がある。
運転の山積みの例を図2.3.1に示す。