2.3.4 燃料油装置
燃料油装置は、燃料油澄ましタンクヘの移送系統、清浄系統、主供給系統に分けられる。移送系統は油移送ポンプで、二重底あるいは船体付油貯蔵タンクから澄ましタンクヘ移送するものである。清浄系統は、一般には清浄機付吸入ポンプで澄ましタンクから吸入し、ポンプの吐出側に設けた燃料油過熱器で清浄に必要な温度まで過熱して清浄を行い、清浄機付吐出ポンプで常用タンクヘ送る。供給系統は供給ポンプで常用タンクから吸入し、こし器、加熱器を経て主機へ供給する。
これらの燃料油装置では、通常次の操作を遠隔又は自動制御としている。
1. 燃料油澄ましタンクヘの自動移送装置
2. 燃料油タンク液面制御
3. 燃料油清浄装置
4. 燃料油供給装置
5. A-C重油自動切替装置
(1) 燃料油澄ましタンクヘの自動移送装置
澄ましタンクに設けた液面制御スイッチにより、ポンプは自動発停して燃料油をタンクヘ自動的に移送する装置で、間欠補給と連続補給とがある。
(a) 燃料油移送ポンプの自動発停
燃料油澄しタンクに設けた高低液面制御スイッチの作動により、電気的に移送ポンプを自動発停させてタンクヘ油を補給する。
(b) 燃料油澄しタンクの自動補給
移送ポンプは連続運転していて、液面制御スイッチにより移送ポンプ出口側の三方口弁を切替えてタンクヘ油を補給し、補給する必要のない時はそのまま吸入側タンクヘ戻す方法と、移送ポンプを自動発停させて油を補給する方法がある。
(2) 燃料タンク液面制御
常用タンク及び澄ましタンクの液面及び高低位警報は制御室などで遠隔監視する。
遠隔液面指示装置には、フロート式、差圧式などがあり、液面の変位を空気あるいは電気信号に変えて遠隔指示する。またこの信号を利用して移送ポンプの自動発停、タンク液面警報などを行う。
(3) 燃料油清浄装置
清浄装置は、清浄機を連続運転して燃料中に含まれる水・不純物・ごみなどを遠心分離し、スラジタンクヘ自動排出する。その配管系統は、燃料油澄しタンクから吸入して清浄行程を経た清浄油を常用タンクヘ送油する場合がほとんどである。