2.2.2 種類と特徴
(1) 機械式
機械式遠隔操縦装置は、従来機側に直接取り付けてあった操縦ハンドルを機関より離し、その間に機械的伝達機構、例えばリンク、フレキシブルケーブル、スピンドル、ワイヤ、歯車などを介して、機関から離したハンドルの位置から機関を操縦する方式で、次のような特色がある。
(a) 長所
1. 機構が簡単で信頼性が高い。
2. 動力源を必要としない、また停電の影響を直接受けない。
3. 安価である。
(b) 短所
1. 複雑精密な自動操作を行うことは困難である。
2. 入力での操作のため、操作に要する労力が大きい。
3. 操縦ハンドルをあまり離すとひずみや誤差が大きくなるので、操作距離に限度がある。また伝達装置の結合方向や位置が限定されるので機関室配置に制約が出る。
(2) 電気空気式
電気空気式とは、機関から離れた制御盤より電気制御機構及び空気圧駆動機構を介して、機関の前後進切替、始動・停止、増減速などの操作を行う方式であり、電気油圧式の油圧駆動機構を空気圧駆動機構におきかえたものとほぼ同じである。ただ空気には圧縮性があり、空気圧駆動のみでは油圧駆動ほど精密な追従性を確保することが難しいので、精密な追従を要する速度制御にはガバナーモータを使用した電気制御式を用いることが多い。