日本財団 図書館


(3) 計器盤

計器盤には、圧力計、温度計、液面計などが装備されているが、それぞれ冷却水系、潤滑油系、燃料系、蒸気系、空気系などの各系統の計器が備えられている。圧力計は一般的にはブルドン管を使ったものが多く、温度計はダイヤル式、電気式、バイメタル式などがある。また液面計はボイラ遠隔水面計程度であり、一般のタンクの液面計は少なく、高位・低位の警報表示のみのものが多い。

(4) 遠隔操作盤

補機類の起動器を制御室内に集めたものや、操作ボタンのみを集めたものである。どちらも手動・自動起動が組み込まれており、その切替えにより操作できるものである。これらは電動モータでまわすポンプ類に多く採用され、用途によって次のものなどがある。

潤滑油ポンプ、冷却海水ポンプ、冷却清水ポンプ、燃料油供給ポンプ、給水ポンプ、燃料弁冷却水ポンプ、ピストン冷却水ポンプ、油移送ポンプなどで手動・自動発停が可能となっているものが多い。

(5) 警報盤

温度警報は、温度表示を兼ねたものが多く、2個から3個の温度指示器を高温、低温に分けて指示できるものを組み込んであり、排気ガス温度のような高温用のものと、冷却水や油温を計測する低温用のものとに分けてある。そしてそれぞれには警報の節点が設けられていて、ある設定値を超えたり、下回ったりすると警報を発する。機械によっては警報を発すると共に、非常停止装置によってトリップするものもある。例えば、空気圧縮機では冷却水温度が80℃を超えると、警報を発すると共に圧縮機のモータが停止するようになっているものなどである。

このほか圧力警報は、一般的に計器盤に組み込まれたものが多いが、警報盤に組み込まれた場合は温度警報と同様に作動する。

 

2.2 主機の遠隔操縦

2.2.1 概要

ディーゼル主機の遠隔操作方法は機種により若干の相違はあるが、基本的には前後進切替、始動・停止、増減速の三つの操作となる。この操作を機側より離れた機関制御室又は船橋などより行うことが遠隔操縦であり、操作伝達の方法としては次の4種類が主なものである。

(1) 機械式

機関の操作ハンドルをリンク、ワイヤ、歯車などの機械的伝達機構を介して遠隔操作する方法で、機構が簡単であり故障も少ない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION