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監視方式としては、常時指示型の計器類を主にした計器集中方式、機器及び各系統をグラフィックにし、必要個所に計器類を組込み視覚効果をあげたグラフィック方式、表示灯・警報器類を主にしたスキャニングモニタ方式及びスキャニングモニタに資料記録、計算機能などを組込んだデータロガ方式などがあり、それらを適当に組合わせて使用する。

また計器・表示灯・警報器・操作装置などを計器盤又は制御盤に組込むが、これらの集中の度合いはさまざまであり、主機及び各補機の計器・表示灯・警報器・自動制御装置をすべて集中し、各機器の細部に至るまで集中監視又は制御する方法と、補助ボイラ、油清浄機など補機の計器類と自動制御装置は機側に配置し、その内の主要計器・表示灯・警報器類のみを取出して、主機関係のものとともに集中監視又は制御する方法とがある。

なお、一般に計器盤、制御盤には自動化機器及び遠隔操作機器が満足に作動しているかどうかを監視するために必要な、計器・表示灯・警報器類と遠隔操作装置を配置している。また船橋操縦が行われる場合、船橋には主機の始動を含めた主機操縦操作装置スタンドと、主機及び補機類の監視のために必要な計器・表示灯・警報器類が配置されている。これら計器盤及び制御盤は、遠隔操作装置とともに機関室の一部又は機関室とは別に設けられた制御室に配置され、この部屋は防音、防熱及び空調されるのが普通である。しかし、独立した制御室というものを設けず、主機操縦ハンドル付近に計器盤、制御盤を集中した集中監視所を設けることもある。

 

2.1.3 ディーゼル船の自動化

ディーゼル船における自動制御や遠隔操作は、補助ボイラの自動燃焼制御装置、自動給水制御装置、燃料油の温度調節装置及びタンクの液面調節装置など機関室内装置に部分的に採用されていたが、その後、徐々に機関部諸装置に対して、総合的な自動化及び遠隔操縦が採用されるようになった。

ディーゼル主機の前後進切替、始動・停止、増減速及び非常停止などの操作を自動制御又は遠隔制御すると共に、補機器並びに諸装置にも広く自動制御装置を採用し、これらを空調のきいた制御室あるいは船橋において集中制御できるまでに進歩した。最近では、夜間機関室当直を廃止する目的のため、機関室全体を一つのプラントとみなしたシステマティックな自動化を推進する考え方が一般的となり、一定時間機関室を無人化する船が建造されるようになった。

 

 

 

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