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1.3.4 発電機の選定

発電機には、ディーゼル機関駆動によるもの、軸駆動によるものなどがあり、まずその形式を決めなければならない。次にディーゼル機関駆動の独立発電機ではその起動方式を、また主機や軸駆動によるものではベルト、ギヤークラッチ又は直結などの方法がとられるのでその駆動方式を決める必要がある。

発電機の容量については、電気部の作成する電力需要計画表に基づき決定するが、航海時、荷役時、停泊時とかなりの必要容量差がある場合には、最も経済的な発電機の種類、大きさ(容量)と数を決定する。その場合に、停泊時の専用発電機を備えることも多い。

発電機に用いる燃料の種類も下記の通り増えてきているので、船の種類、用と、主機の燃料との共有を検討の上決定する。下記の名称は一般的な呼び方を示す。

(1) A重油:最も一般的にディーゼル発電機に用いられている。

(2) ブレンド油:AとB重油または、C重油と混ぜて粘度を調整して用いられ、A重油の使用料を節約して運転コストの低減を計る。

(3) C重油:起動時はA重油を用い、運転中はC重油を用いる。安価なC重油を用いることにより運転コストの低減を計る。

(2)、(3)の方式はA重油の保有量が少なく出来る反面、燃料混合機、加熱装置などの付帯設備が多くなり、初期投資、メンテナンスが増えることを承知して置く必要がある。

その他の注意としては、主機駆動発電機で主機の出力に応じて回転数が変化するものについては定周波数制御装置などが必要となるし、停泊用発電機は停泊時の小容量の電力をまかなうものであるので、コンパクトで使用中のメンテナンスが少なく、音が静かなものを選ぶことが大切である。また原動機の冷却に冷却水を用いずに空冷式を採用することも多い。

最近の規則では、船舶の大きさにより、非常用発電機を設ける必要があるので、初期段階でその要否について規則を確認すること。

 

1.3.5 ボイラの選定

500k/h位の蒸気消費量の船になると、湯沸缶ではなく、補助ボイラを専用に備えることが多い。また、航海中は主機の排気ガスの熱を利用した排ガスエコノマイザの採用も考えられる。

補助ボイラは機関部に各種加熱器の熱源としての蒸気を送るほか、厨房や暖房、船体タンクの加熱などに使用される蒸気を供給する。

 

 

 

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