第3編 機関艤装
機関艤装設計編
第1章 機関部の計画
1.1 機関部の概要
1.1.1 一般
一般的な機関部の構成を記載する。
推進装置
発電装置
捕機器
諸管装置
1.1.2 推進装置
(1) 機関部は数多くの機器や装置から成り立っているが、機能的にも、配置的にも推進装置がその中心となっている。
推進装置は原動機である主機械又は主機関(略して主機という)とそれに連結される減速装置、軸系それにプロペラで構成されている。
船の推進装置として要求される項目はいろいろあるが、それらをまとめると以下の通りとなり、また、これらは機関部全般としての必要条件でもあり、非常に重要な項目であることはいうまでもない。
1. 陸上より隔絶して運航されるため信頼性が高く、乗組員による点検及び修理が容易であること。
2. 大洋(あるいは沿岸)航行中の激しい気象海象に十分耐えうること。
3. 重量、容積ができるだけ小さいこと。
4. 波浪による動揺や振動、海水及び潮気を含んだ湿気による腐食に耐え、十分な性能を発揮し、長い年月の使用に耐え得ること。
(2) 主機械
船の推進に直接関係する原動機を主機械又は主機関(略して主機)という。主機の発生する動力は、減速装置や軸系を経てプロペラに伝達される。
現在最も多く用いられている舶用主機は、ディーゼル機関であり、その他には蒸気タービン機関、ガソリン機関、焼玉機関、蒸気往復動機関等がある。また、現在は特殊な船にしか用いられていないガスタービン機関や原子力機関が今後どのような発展をするのか注目されるところである。