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第9章 交通装置及び閉鎖装置

 

交通装置は単に船にとって必要なばかりでなく、艤装中早期に取付け、作業者の交通路を確保する事で安全と作業能率向上に役立てる事ができる。

 

9.1 交通装置(梯子)

(1) 甲板間傾斜梯子は船殻ブロックが搭載されたらすぐに仮取付けを行い交通路として利用する。また、船殻ブロックの位置決めが完了次第なるべく早く本取付けする事が望ましい。取付けに際してはステップが水平になる事(計画通りの傾斜にする)が大切である。

(2) 垂直梯子は普通地上艤装で取付ける事を目標に計画する事が望ましい。また、取付けが完了したらすぐに本溶接(あるいは準本付け)する必要がある。仮付けのまま放置しておくことは危険である。

 

9.2 倉口蓋の取付

倉口蓋の種類は設計編で述べたように種々あり、開閉、締付方法にもいろいろな方法があるがここではシングルプルタイプのエンドローリング鋼製倉口蓋の取付けに際しての注意点を述べる。

 

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図9.1

 

(1) 現場取付け要領

(a) ハッチカバー自体の精度を確認する。

(b) ハッチカバーの基準線を罫書く。記入時は図面寸法と幅実測値を参照にし、カバー外面より10mm外側の差し越し線とする。

(c) 罫書基準線をもとにしてパッキン当りガイドレールの位置を罫書く。

(d) パッキン当りを取付ける。この際上面が±2mm程度になるように計測し、薄板ライナなどにて調整しながら締めつけて仮付けを行う。同様にガイドレールも仮付けする。

 

 

 

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