日本財団 図書館


3.2.3 歪取り

最近加工前の材料はほとんど歪取りを行う必要がなくなったが、運搬時の不注意により歪みが生じたときは一般に“つち打ち”又は歪取りローラーなどで歪取りを行わなければならない。1.6mm以下の板厚のものでは板の伸びている部分の周囲を伸して平滑に仕上げる。4.5mm以上の板では伸びた個所を上にして定盤上に伏せ凸部を叩いてこの部分を縮めて歪みを取る。

薄板構造物の歪取り、大曲り、ねじれの矯正には水圧機をもちいることもあるが、一般には局部加熱法を用いる。

加熱温度は高いほど良いが、材質変化を考慮して500〜600℃程度とする。

 

3.2.4 曲げ加工

(1) 折曲げ機

長さ方向に真直ぐに折り曲げるもので、通風トランク、パイプ及び鋼製戸、タンク、パイプカバー、が可能である。

曲げ加工の場合、ポンチ、タガネのマークがノッチになって亀裂を生ずることがあるので折曲げ線にポンチなど入れないで差越しマークを使用する。

(2) プレス

板厚6mm以上の冷間曲げにはプレスを使用する。ボラード、扉のフランジ曲げ等である。簡単な曲りはそれぞれ固有の押し型が用意されているのが普通である。

(3) 手加工

通風筒頭部など主にハンマーで叩いて伸しながら、ふくらみを作ったり、成形後しわになったところを縮めて平らにして曲げ加工を行う。

 

3.3 艤装金物

艤装金物の製作は以上述べた基本作業の組合わせであり一般的な注意事項は同様であるが、製品毎に構造、用途に特色があるので、それらを十分考慮しながら製作する必要がある。

これに関しては造船学会、鋼船工作法研究委員会、第2分科会編の「板金工作法」が参考となる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION