9.2.2 ポストの種々の条件
ポストの寸法は、基本的には〔心〕で定められるが、次のように種々異なった状態のものがあるから、それらの条件によって数値を変えなければならない。ここにはその異なった状態だけを掲げておく。
(1) ポストにステーを備えない場合。
(2) ポストにステーを備える場合。
(3) ポストの船首側及び船尾側にデリックを備える場合。
(4) デリックブームがポスト以外の他の独立した構造物に取付けられている場合。
(5) キングポストに取付けられている場合。
9.3 デリックブーム
9.3.1 ブームの材質
ブームの材質には、木材と鋼材とがある。木材は檜、米松を使用することが多く、一般に5トン位までの場合に用いる。それ以上大きいものは、自重も大となり扱いにくくなるし、入手も困難となる。木製のブームは、衝撃に対して損傷が少なく、利用されることが多い。
鋼製のものは、引抜鋼管のもの、鋼板を曲げて溶接したもの、条材で組立てたものなどある。
9.3.2 ブームの長さ
ブームの長さを定めるには、次の条件を考えてなるべく短い方がよい。
(1) デリックポストとブームの配置
(2) 仰角が40°〜45°
(3) アウトリーチ(Out reach)が3m〜5m(小さい船では2.5m)
(4) 荷物の降下線がハッチ長さの2/3まで達するように
(5) ブームと船の舷側となす角60°
これを図示すると次のとおりになる。