2.3 艤装工事の事前検討
2.3.1 一般
艤装工事の円滑な進行と完成した後の装置の優劣は、工事開始後の作業管理及び工作技能にもよるが、その大半は艤装工事方針を決定する時点での事前検討の深さに左右される。それ程この事前検討は重要なウエイトを占めるものであり、これは艤装工事担当者の積極的な努力と、卓越した力量、工事に対する正確な見通しとが要求される。
2.3.2 事前検討の項目
(1) 建造仕様書又はこれにかわる基本図等により艤装諸装置の諸元について検討する。
(2) 船殼構造特にブロック配置図によるブロック割り、組立順序、日程等を十分に調査する。
(3) 各艤装装置を、船殻ブロック分割を考えて区画別配置に置き換える。
(4) 区画別配置の概要ができたならば、艤装工程と船殻工程との関連、艤装工程順序を考える。
(5) 艤装機器の仕様、メーカー等を調べ、その特性及び艤装工事の主要点(節点)を把握する。
(6) 艤装機器、艤装品の入手時期等を調べ、入手、搭載の時期及びそのときの姿をあらかじめ明確にしておく。
(7) 各装置でユニットのできるものを十分に調べ、少しでも多くのユニット化を考える。
(8) ユニットとするものが決まったら、社内で製作するか外注するかを決め、またユニット組立て場所を広さ、クレーン使用の可否、運搬経路等を合わせ考えてあらかじめ決定しておく。
(9) ユニット化、地上艤装、区画艤装の範囲を定める。
(10) 特殊艤装のある場合はこの工事に対する特別な施工計画、注意点を定めておく。
(11) 建造時点における艤装工数の山積みを検討し、工事所掌、外注範囲を定めると共に作業員の配員を決定する。
(12) 環境整備
作業がしやすく、かつ、安全に行えるように各動力(エアー、ガスサンソ、溶接機、仮灯用分電箱など)やゴミ、スクラップ箱の配置、安全通路や材料置場の線引き、排煙・雨天・排水対策等について建造工程にマッチした安全・品質面でのエンジニアリングを十分に行う。
以上の事前検討項目に対し、設計階段開始の時点でワーキンググループを編成し、十分に討議し、実行に移すことが重要である。