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第5.14図 斜交叉する接手のかわし方

 

(6) 進水後の溶接作業

進水させた船体で、水面下になる部分の内側の骨を溶接したいような場合、例えば第5.15図のごとき場合は、どうであろうか。溶接している反対側に水があるということは、溶接の熱で加熱された鋼材が、水で急冷されるということになって、鋼材の硬度が上昇し、材質上、好ましい影響を与えない。一般に、外板の板厚が16mm以下では、悪影響があるとされているから、水線下の部分の溶接は、進水前に完全に終了させておく必要がある。

 

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第5.15図 水面下の溶接

 

(7) 片側のみの溶接

狭隘な場所のBKT(ブラケット)等で、両側から溶接できないような場合が生ずる。このような場合は、取り付けの段階、もしくは、現図の段階で、わかるから、まず、開先をとって、当金に対して、ワカシ込む工作法第5.16図のごとき処理をしなければならない。開先をとらない隅肉溶接の片側だけしか、溶接していないものは、取り付けのピースの仮り付けが、反対側からハンマーで叩けば、簡単にはずれることでわかるように強度上、信頼できないからである。

 

 

 

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