この横収縮の量は、割合に大きな値であるために、昔から、いろいろな人が、実験してその収縮量を、予測しようとしている。しかしながら、そのいろいろな実験式通りには、なかなか現場では収縮しないものであるからここでは、一番簡単な計算式をあげて、その他に、横収縮に影響する因子を説明しよう。
SPRARAGEN の式(横収縮)
次に横収縮量に影響する項目について述べると、
イ) 開先形状によって、横収縮量は大きく変わる。
開先形状によって、溶着金属量が大きく変わるからである。
ロ) 底部間隙によって、大きく変わり、理由は上と同じである。
ハ) 板厚が大きくなると、収縮量は減る。
ニ) 接手の幅、長さが大きくなると増加する。
ホ) 層数が増えると、収縮量は増加する。
ヘ) 拘束が大であると、収縮量は減る。
ト) 溶着量が増えると収縮量は増大する。(隅肉溶接においては脚長が増大すれば溶着量は増える)
また、サブマージアーク溶接においては横収縮量は手溶接に比して1/3程度であるといわれているが、これは、次のような理由が考えられる。
イ) 一般に手溶接に比し、溶け込みが深いので、開先形状はせまくでき溶着量が小さい。
ロ) 層数が手溶接に比して、格段に小ない。
ハ) 手溶接に比し抜落ちを防止するため底部間隙を小さくしてある。
(2) 縦収縮
第4.12図のように、溶接線方向に収縮するもので、溶接前の部材が点線のようであったものが、溶接により、実線のように収縮するものである。この量の近似式としては次のものがある。