ピンチ効果とは
溶融金属中を流れる電流によって生じる電磁力のために、溶融金属やアークが圧縮される効果をいい、この力をピンチ力という。平行する2本の導体に同一方向の電流が流れると電磁作用によって導体内に相互吸引力が生じるが、この力は一本の導体内に分布している。電流エレメントについても同様である。
炭酸ガス(液化炭酸)について
1) 炭酸ガスはJIS K 1106 第3種(水分含有量0.005%以下)を必ず使用すること(CO2純度の確認が必要)
2) 炭酸ガス容器の塗色は緑色ときめられている。その他の充填ガスと容器の塗色の関係水素→赤色、酸素→黒色、アルゴン→ねずみ色
3) 炭酸ガス容器には液化炭酸30kg(15,000l)が格納されており25l/mim使うとすると約10時間使用できる。
4) ガス容器は直射日光に当て40℃以上になるとガスが吹き出すことがある。特に夏期には日光を直接当てないように工夫することが大切です。
5) 容器は倒れないように固定する。
6) レギュレーター(ガス調整器)のヒーターの差込みを忘れないように特に注意すること、ヒーターを接続しないとガス調整器が凍って故障する。
7) ガス流量は通常下向の場合25l/mimを基準とし風のある所では多く使用する。ガスシールドはCO2半自動溶接の生命でガス流量が不足して欠陥(蜂の巣状のブロホール)が発生しても表面からは見えず溶接中にも気付かないので防風対策、ノズルのスパッター取りを合せて十分に注意する必要がある。
溶接諸因子の影響は
1) トーチ角度を進行方向に傾けるとビード幅が狭くなる。また余盛が高くなり溶け込み深い。
2) ワイヤー径が太すぎるとスパッターが多くなり、アーク不安定、溶け込み浅い。
3) チップと母材間の距難が大きいと(ワイヤー送給一定)電流減少し溶け込みも浅くなる。