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溶接工作法

 

第1章 溶接について

 

1.1 溶接の性質

材料の接合法として、溶接が本格的に使われ始めたのは第二次世界大戦後である。他の接合法、例えば、鋲接合だとか、ボルト結合又はろう付けのようなものと「異なる」溶接というものの性格を知ることにより、施工上注意すべき点が種々明らかになり、効果的な接合工事を行うことができる。

溶接では1個所の欠陥から割れが材料に入ったときに、そのクラックは、止まることなく進行して重大な損傷を起こすということがある。

このような事故が起こる場合、では他の接合法ではどうであろうか。例として鋲接合について考えてみると、鋲で接ぎ合わされた材料は、2個の材料でできている場合は、やはり2個の材料である。もし一方の材料にクラックが入ってその割れが進行した場合、鋲の接手のところにきたら、それ以上進行しないで、止まってしまう。

 

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第1.1図 溶接接手と鋲接手におけるクラックの進行状況の相違

 

 

 

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