事前に打合わせ、予行等を行い、下記事項を徹底及び確認しておくべきである。
(1) 人員配置とその責任者
(2) 作業の順序
(3) 作業指示方法と作業完了報告の方法
(4) 船内、曳船、進水主任間の連絡の方法
(5) 万一の場合の応急処置と人員の待機
支綱切断の直前まで、二つ以上の安全装置を施しておくのが原則である。
進水式にかける作業手順は一般に次の通りである。
(1) 腹受盤木の取り外し
(2) 台車滑り止め装置の取り外し
(3) 安全ピンの取り外し
(4) 支綱切断(スリップピンの解放)
6.4.7 進水作業の注意事項
(1) 進水作業の完全実施を期するために、進水作業日程の作成、進水会議等で趣旨の徹底をはかり、混乱を防止しなければならない。
(2) 進水計算、作業スケジュールに忠実に従って行い、曖昧な点は必ず指示を仰ぎ、また曖昧な妥協は絶対禁物である。
(3) スリップピン、押出し装置等は必ずテストしてから設置しなければならない。
(4) 船底行止め支柱、腹受盤木は安全のため、進水直前まで置くのが望ましい。
(5) 進水に関して、事故が起これば、いかに小さなことでも、原因を徹底的に追求し、再び起こさない対策を立てなければならない。
(6) 進水は船殻作業の一つの区切りである。これを機に作業場の並理整頓、治工具の整備を行い、気持の刷新をはかるとよい。
(7) 進水作業は進水後の確認、後始末、治工具の手入れが終って、初めて終了する。
(8) 進水結果は整理しておくと、次回の貴重な参考資科となる。