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6.2.6 台車進水

これは台車(トロッコ)上に船体をのせ、船台上のレール上を滑走させて進水させる方法である。最も簡単で設備費も少ないので、小型船ではこの方法が、一般に採用されている。進水性能は余り良くないが、設備の連続使用が可能であり、進水重量400トンくらいまでは安全に進水させることができる。(第6.4図)

この方法については、詳細に後述する。

 

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第6.4図 台車進水

 

6.3 進水計算

進水は予行、遣り直しができなくて、危険性の潜在する作業であるから、進水要目を慎重に計算して、それに忠実に従って作業を行わなければならない。

 

6.3.1 進水台の中心間距離

進水台の中心間距離(第6.1図)は、安定性上、船幅の約1/3が普通である。手持ちの台車を利用する場合には、台車上の矢、駒盤木で幅を広くとって、安定性をうるようにする。

 

6.3.2 進水重量及び重心

進水計算の基礎となるものは、進水重量と船体の重心位置である。主要寸法等から簡単に推定する方法もあるが、詳細に算出した方が無難である。進水重量には、進水時の船体及び内部の艤装品等の搭載物、進水用バラスト、進水台の重量等全てが含まれる。進水前に船内をチェックして、計算と現場のくい違い、左右玄のアンバランス等がないように注意しなければならない。

 

6.3.3 進水始動力

始動力とは、進水時に船体自身が滑り始めようとする力である。

 

 

 

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