6.3 進水計算
進水は予行、遣り直しができなくて、危険性の潜在する作業であるから、進水要目を慎重に計算して、それに忠実に従って作業を行わなければならない。
6.3.1 進水台の中心間距離
進水台の中心間距離(第6.1図)は、安定性上、船幅の約1/3が普通である。手持ちの台車を利用する場合には、台車上の矢、駒盤木で幅を広くとって、安定性をうるようにする。
6.3.2 進水重量及び重心
進水計算の基礎となるものは、進水重量と船体の重心位置である。主要寸法等から簡単に推定する方法もあるが、詳細に算出した方が無難である。進水重量には、進水時の船体及び内部の艤装品等の搭載物、進水用バラスト、進水台の重量等全てが含まれる。進水前に船内をチェックして、計算と現場のくい違い、左右玄のアンバランス等がないように注意しなければならない。
6.3.3 進水始動力
始動力とは、進水時に船体自身が滑り始めようとする力である。