例題8) リムド鋼、セミキルド鋼、キルド鋼とはなにか。(鋼船工作法指導書参照)
答)イ) リムド鋼
製鋼過程でSiによる脱酸を十分に行わず、ガスによる空孔があるままで鋼塊(インゴット)を作り圧延過程でこれを押しつぶし鋼板とするもので、インゴットの表面に生じる純鉄に近い層がそのまま鋼板面に残留し、あたかも、ふち(リム、rim)がある状態なのでこの名前がある。
ロ) キルド鋼
製鋼過程でAL、Si及びMnなどで十分に脱酸し、溶鋼中のガスを非常に少なくしてある(Kill)ので、リムド鋼とは異なり、鋼塊にも空孔がなく均質な鋼板が得られる。
ハ) セミキルド鋼
これは、両者の中間で脱酸剤が若干添加されている。なお、最近製鋼メーカーでは連続鋳造法を採用しつつあるが、この方法で作られた鋼板はキルド鋼である。
厚さが12mm以下の鋼板ではリムド鋼、セミキルド鋼及びキルド鋼における性能の差は比較的少ないが厚板になると明確になる。(指導書参照)