(2) 安全装置に関する規定
機械や器具を使って作業するときに安全行動をとることが大切であるが、同時に機械や器具の不安全な部分が取り除かれていることが必要である。
そのためには法規は工場の設備・機械・器具の性能検査に合格したものや規格にあったものでなければならないなどを規制したり、装置の機能を保持するために、必ず守らなければならないことを次のように定めている。
a. 安全装置を取りはずしたり、その機能を失なわせたりしないこと。
b. もし臨時に取りはずしたり、機能を失なわせたりする必要があるときは上司の許可を受けること。
c. 処置完了後は直ちに元どおりにして、その機能が発揮できるようにしておくこと。
d. 機能を失なったことを発見したときは、すみやかに上司に申し出ること。
(3) 就業に関する規定
危険な仕事の範囲、経験の有無、技能の程度などによって就業を制限しなければならないと規定してある。
安全衛生規則では、これをさらにこまかく具体的に次のように定めている。
a. 経験6ケ月以上でなければできない作業
ア) 運転中の機械の動力伝導
装置の危険部分の掃除・注油検査・修理やベルトのかけかえ。
b. 使用者が技能を選考したうえ指名した者でなければできない作業。
ア) 火元責任者
イ) 危険物取扱主任者(ただし有資格者より)、圧縮ガスや液化ガス製造装置の作業主任者(ただし有資格者より)、空気圧縮機の作業主任者(ただし有資格者より)、乾燥室の作業主任者、高さ5メートル以上の足場の組立、解体、変更の作業主任者
ウ) 高圧・特別高圧の充電電路、その充電電路の支持物の敷設・点検・修理・操作の作業、低圧の充電電路敷設・修理の作業
配電盤室、変電室などの区画された場所に設置する低圧の電路のうち、充電部分が露出している開閉器を操作する作業
エ) 10馬力以上の原動機の運転や運転中の掃除・注油・検査の作業
オ) と石車の取換えと試運転の作業
カ) 消費量毎時400リットル以上の液体の燃焼器の点火作業
キ) つり上荷重3トン以上のクレーン(床上操作を含む)移動式クレーン、デリックおよび制限荷重3トン以上の揚荷装置の玉掛作業、(第44条の4、クレーン則第148条)
ク) ボイラ技士、ボイラ溶接士(ボイラ則第8、19、44条)