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4] 「パラフィン製甲板マスターモデル」及び「FRP製甲板成形用型」の製作

3]と同様にパラフィン素材を用いて、ヨット甲板建造に必要な「パラフィン製甲板マスターモデル」を三次元NC削成機によるNC切削加工法により試作開発する。又、マスターモデルを用いて「FRP製甲板成形用型」を製作し3]に示す内容と同様の項目について評価する。

5] ヨット附加物用型の製作

各種附加物用型は、型の精度、作業性等を考慮して目的に合った素材と加工方法を採用した。大型の附加物であるバラストキール及び舵は、型の仕上り精度を考慮してモデルブロック素材を用い三次元NC削成機で製作する。他の小物附加物は木製とし手作業により製作する。

 

3. 試作開発内容

3.1. ヨット船型データ作成精度の検証

今回のヨット船型の線図フェアリング作業には、船舶用線図作成システム「TRIBONステム」を用いて行ったが、ヨットデザイナーから提供された基本線図と比較し、何ら問題の無い事が確認出来た。但し船首部の形状で一部フェアリング結果により変更部分が発生したが、検討の結果今回のフェアリング結果を基に建造する事に決定した。以上の結果より、今回使用した「TRIBONシステム」は、ヨット建造に用いる成形用型の線図設計ツールとして使用出来る事が確認できた。「TRIBONシステム」線図作画結果をPage8〜13に示す。

 

3.2. 三次元NC削成機の精度検証

上記の「TRIBONシステム」でフェアリングされた線図データを基に、船体及び甲板のマスターモデルを製作するNC切削加工データの作成を「NASDシステム」を用いて作成した。作成したNC加工データの精度確認には、NC工具の軌跡データをアウトプットし、入力データとの比較により精度が確認出来る。船体形状の軌跡データを確認した所、入力データとの相違は無く、NC切削加工は問題無く使用出来る事が検証された。船体部の一部NC工具軌跡データの出力結果を参考までにPage14〜15に示す。

 

3.3. 「パラフィン製船体マスターモデル」及び「FRP製船体成形用型」の製作

1] 「パラフィン製船体マスターモデル」の試作開発

パラフィン製マスターモデルの試作方法について述べる。「TRIBONシステム」で作成された線図データを基に、パラフィン型の強度部材となる木製の内型を製作する。合板上に実寸法の船体形状を作画する。Page18に示すように各フレームを切断し、長て方向に組立ててヨット船体の骨組みが完了する。Page19〜20に組立て写真を示す。次にフレーム表面に板張り(t=10mm)を行ってヨット船体の内型製作が完了する。Page21〜22に製作中のヨット船体形状を示す。

 

 

 

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