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4.3. 予備調査の結論

予備調査の結論として、艇体の成形型材料として研究開発の時間が無く、9月中旬には型が完成していなければならない事が絶対条件であるなら、型製作のタイムリミットは現時点である。従って、型の材料について、艇体はGFRP及びCFRP製に変更する必要がある。

 

5.  成形用型の製作

5.1. オス型の成形

1) 船型ソフトのキャドデータから「線図及び船体寸法表」の数値データに変換する。

数値データから加工面に鉛直の3次元NCデータに変換する。NC切削で発泡ウレタンを成形しコーティングして艇体のオス型を製作する。(艇体のマスターモデルの成形)

2) 甲板のオフセットデータから、加工面に鉛直の3次元NCデータに変換する。NC切削で発泡ウレタンを成形しコーティングして甲板のオス型を製作する。(甲板のマスターモデルの成形)

 

5.2. メス型の成形

1) マスターモデルからGFRP(CFRPを含む)のメス型を成形する。

 *デッキ型は船体中心線部で合せ割り型とする。

 *艇体の型は船体中心線部とトランサムで三つ割り型とする。

 *割型の合せはフランジ式とし、艇体と甲板の組立用治具を兼用する方式とする。

2) GFRP(CFRPを含む)のメス型は変形防止の補強(鋼製角パイプ)をする。

 

5.3. 舵等の部品の成形型

1) 舵、ハッチをキャスタブルセラミックでマスターモデルを製作する。

2) バラストキールはキャスタブルセラミックでマスターモデルを製作する。

 

6. 艇体の成形方法

艇体は性能設計W/G及び建造GMとの協議により、重量と剛性等の強度の面からデビニセルのサンドイチ構造と決定した。メス型を使用したサンドイッチの成形方法は、心材の接着技術にバキュームバックを使用する事で、従って、その工作技術を確立する事を目的とする。

サンドイッチ工作法

1) 外皮に心材(デビニセル)を接着する確実な方法として、バルン入りパテによるバキュームバック接着とする。

2) ガンネル部(甲板と艇体の接着)の継手は型内接着継手とする。

3) 継手部は単板とし、艤装品取付け位置のFRP単板部の補強はコアマットを使用する。

4) 外皮、内皮は基本的に手積積層とする。

 

 

 

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