5) セール形状、マスト曲がり具合(マストベンド)
適当な角度からの高精度デジタルカメラ、およびビデオカメラによる。
6) シートテンション
小型バネバカリにより、セールを調整(トリム)するロープ(シート)の張力を計測。
7) 実験の状況
ビデオカメラ、および音声レコーダーによる
3. セール形状の記録
ヨットのセール形状は、高さそして幅方向にそのふくらみが異なるばかりでなく、上下方向でそのねじれ方が異なり、全体形状は複雑で表現しにくい。しかし、水平断面を考えた場合、その形状は薄翼に近似できる。
各高さにおける断面の翼形状を表すパラメータは、Fig.8のように弦長(Chord Length)、最大ドラフト(Maximum Draft)、最大ドラフト位置(Maximum Draft Position)、入口角(Entry Angle)、出口角(Exit Angle)、ねじれ角(Twist Angle)の6つで定義できる。通常、高さ方向に4分割し、最下端を含めて4つの断面で記録するが、簡便のために最も高い75%高さの断面で代表することがある。
本研究では、測定部の天井からビデオ撮影を行い、そのうち代表的なケースについて、ビデオキャプチャによりデジタル静止画に変換し、記憶装置に記録、数値化を行った。Fig.9にそのうちのひとつを示すが、題記の全長8m程度のセーリングヨットとしては非常に妥当なセール形状と考えられ、試供した各セールにおいてもほぼ同じような形状が実現できたと共に、再現性についても問題はなかった。