2.2. 使用した風洞
マツダR&Dセンター横浜研究所、開口部横幅1.2mx高さ1m、密閉/開放型風洞。
本実験では風速が遅いこともあって、密閉型で使用した。
2.3. 模型、風速、レイノルズ数
1) 縮尺1/16。マストトップの高さは地面盤から約820mmであり、流れの安定度はやや乱れているが、検力の精度な問題と、実験の主目的がセールの相対比較であることから、この縮尺に決定した。マストトップ付近の流れの安定度は煙による可視化を行い、風洞担当者の意見を参考にに目視により判断した。
模型は地面盤から2ないし3mm離してターンテーブルに設置し、全体を回すことで風向(迎角)を変化させた。また、ラジオコントロール装置により各セールのトリムを行った。コントロール個所は3つである。
Fig.1および2に実験の模様を示す。
2) 実艇の各寸法をFig.3および4に示す。
3) アップウインドでは風速10m/s、ダウンウインドでは風速7m/sとした。レイノルズ数は10の5乗オーダー(実艇に対し、アップウインドでは1/20、ダウンウインドでは1/10程度。風速はセールの強度を目視でチェックしつつ決定した)。
2.4. 実験方法
1) 迎角(実艇での視風向AWA (Aparent Wind Angle)に相当するもの)を変化させ、6分力を計測する。余裕があれば()内の角度も行う。ヒールはなく、アップライト状態。
(1) アップウインド<メイン+ジブ>
20.0°22.5°25.0°27.5°30.0°(32.5°)
なお、大橋氏のIMS計算によれば、10から16ノット程度の風で、最適迎角は25度程度となっている。
(2) ダウンウインド<メイン+スピン/ジェネカー>
80°100°120°140°(150°)(160°)
なお、大橋氏のIMS計算によれば、10から16ノット程度の風で、最適迎角はスピン135-160度、ジェネカー105-135度程度となっている。
2) 試供セール
(1) メインセール2枚
a.スタンダード<M0>
b.スモール、ハイアスペクト<M1>
(2) ジブセール3枚
a.スタンダード<J0>
b.ハイIポイント、ビッグ<J1>
c.ハイIポイント、ハイクルー<J2>