日本財団 図書館


「普通に漫然と暮らしていると、人と人とのかかわりって、あまり深いものにはならない。でもこの活動は、その人の生活の中まで入り込むので、悩みを聞く機会なども多々ある。だから、単にお弁当を届けるとか、家事援助をするといった作業以上に、心のつながりが深まるのが魅力です。そしてそれによって、その人の生きざまに感動させられたり、学ぶことも多い。だから周囲からは“もっと事務所にちゃんといなさい”と怒られるけれど、私は現場大好き人間。活動を通して、元気をもらっているのかもしれませんね」と笑う。

そんな同グループの今後の目標の一つは、区の地域福祉計画や介護保険制度をより良く形作っていくために、住民参加型のNPOの視点から働きかけていくことだという。

「そのためにも、区内のNPO在宅援助グループで集まって、協議会を作りました。各グループごとに発信するよりも、同じ活動をしている共通項を基盤に、協議会として行政に要望したほうが効果的だと考えたからです。これからは公と民が、民間相互が協力し合うことが重要で、さらにそれを結び合わせるネットワークづくりを推し進めることが、安心して暮らせる街づくりのためには不可欠なのではないでしょうか」

また、これまでの活動を通じて、お年寄りが家の中にこもりきりになりがちという問題点に気付いたことから、何とか生きる励みをつくり出すような活動を手掛けていきたいとの抱負も語る。

 

027-1.gif

お弁当作りに励むスタッフ。調理師が献立を工夫し、自然食品を使った5種類の総菜と薄味が受けている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION