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その際に気を付けなければならないのが、要介護度に応じて決まっているサービスの利用限度額(月額)を超えないことだ。要介護度が予想していたよりも低く判定されたとする。その時点で限度額以上のサービスを受けていると、超過した分が10割の自己負担になってしまうからだ。

これを避けるためには、実際にサービスを受ける前に、保険者である自治体の介護保険担当者とよく相談したり、あるいは何人もの被保険者のケアプランを作成し、どの程度の要介護度になるか、予測できるケアマネジャーに相談するといいだろう。予測した要介護度の限度額よりもまずは少なめにサービスの利用を始めるといった方法も考えられる。

 

利用したい貸付制度

限度額を超えない場合であっても、要介護認定前に受けたサービスの利用料は、全額被保険者が支払わなければならない。認定された後に、自己負担分の1割を除いた9割の払い戻しを受けることかできる。

ただ、戻ってくるとわかってはいても、年金で暮らす多くの高齢者にとって、まとまった出費はやはり痛い。自治体の多くが、そんな人たちのためにさまざまな貸付制度を設けている。自分が住んでいる自治体にこの手の制度がないか事前に問い合わせてみるとよいだろう。

 

65歳前でも申請は可能

ここまでは65歳以上の「第1号被保険者」の話。では、65歳未満の人が、「65歳になったその日から介護保険を利用したい」と考えたときにはどうなるのか。

介護保険制度では、法律上65歳以上が調査・認定の対象となっている(特定の疾病については40歳〜64歳の2号被保険者も対象)。しかし、厚生労働省は、実際の制度運用において65歳以前の申請も認めている。実際、保険者である地方自治体の中には、3か月くらい前から受け付けているところもある。このように準備さえしておけば、65歳になったその日から利用できるのだ。

このように、急な利用でも、また被保険者になる直前であっでも焦ることはない。余裕を持って申請し、本当に必要なサービスの提供を受けることを心掛けたい。

 

 

 

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