介護保険がスタートして、ニーズが増えた
現在のところ、「青空」は任意団体のため、介護保険のサービス提供事業者にはなっていない。介護保険がスタートしたことで、その影響はどう出ているのだろうか。その点を鍵政さんに伺うと、「保険制度導入後のほうが逆に依頼は増えている」とのこと。
「たとえば、お年寄りの二人暮らしで、要介護認定を受けていた妻が入院することになり、それまで保険の枠内で受けていた家事援助が受けられなくなり、夫が困り果ててしまったというケース。入院中の方で、歯医者に通うなど別の病院に行きたいので、通院介助を頼みたいというケースなどがありました。また、要介護認定度が低く、今まで受けていたレベルのサービスが受けられなくなったため、週に一回ヘルパーに入ってほしいといったケースも多いですね」
しかも、行政のサービスは概して画一的。時間に追われてお年寄りとふれあうこともせず、事務的にサービスをこなすだけの業者も少なくない。その点に不満を抱いている人たちも少なくないという。「介護の現場に出くわして、忙しいのはわかるけれど、もうちょっと言葉をかけてあげればいいのにと感じたことは一度や二度じゃない。だって、お年寄りは心のふれあいこそを求めているんですから。だから私たちの会では、あくまでも心のケアを念頭に置いた活動をしていきたい。